火葬後の供養の種類

ペットが亡くなり、火葬を終えてから飼い主がやるべきこと

骨つぼの写真

長年、家族として過ごしてきたペットとのお別れ。 ペットが亡くなった現実を受け入れられないまま、葬儀に向けて段取りをしなくてはならないのが飼い主です。
火葬中は胸が張り裂けるほどの悲しみに襲われ、火葬が終わったら そこにはもう愛するペットの姿はありません。 小さな骨壺に入った遺骨が葬儀社の人から戻ってくるだけです。
火葬されて小さくなったペットを抱きかかえ自宅に戻り一息。
「この遺骨、どうやって保管したら良いのだろう…」とぼんやり。
葬儀社では読経から火葬(合同埋葬)までは行ってくれますが、その後の供養に関しては飼い主が決めなければなりません。 ※読経は葬儀社によりますので事前にご確認ください。
「ずっと近くにいてほしいけど…そんなことって出来るのかな?」
「多頭飼いをしているから骨壺が増えたら置き場所がないわ」
「仏壇は用意したほうがいいの?」
火葬や埋葬方法は何となく知ってはいても、その後の供養は考えていなかった。 そんな人もいるのでは?

ペットの火葬後はとくに決まったルールはありません。 ご家族と相談し、ご自身の状況にあった供養を探してみてはいかがでしょうか。

火葬が終わってからの供養とは?

スイレンの写真

ペットが亡くなったとき飼い主のやるべきことは思い思いの方法で見送り、旅立ちの お手伝いをすることです。
ご自宅の庭に埋葬する人もいれば、1匹では可哀想だからと合同火葬や合同埋葬する人、 または盛大な葬儀をして見送る人。
ペットの供養に決まり事はないので、飼い主の気持ちで供養してあげるのが一番です。 とは言え、そのまま遺体を置いておくことはできません。 きちんとした方法で火葬し遺骨にしてあげてから、供養をするのが飼い主の役目です。
下記に火葬したあとの供養の方法をあげておきます。
ご自身の気持ちやペットの性格、生活状況を踏まえた上で供養の方法を選んでください。

ペットの火葬後は墓地に埋葬する

お墓の写真

「ペットと一緒のお墓に入りたい」 飼い主ならペットを自分のお墓に入れたいと思うのが当然です。
ところが、ほとんどの墓地や霊園で、人のお墓にペットを入れることは禁じられています。 とくにお寺では檀家さんとの関係もあり、既に所有しているお墓にペットを入れることは難しいのが現状です。
宗教上の理由によるものですが、飼い主にとってはガッカリしてしまいますね。 どうしても一緒のお墓に入りたい人は民営霊園の一部区画を利用する方法や樹木葬があります。
所有しているお墓がなければ、ペットと一緒に入れるお墓の購入や樹木葬を検討してみてはいかがでしょう。

合同火葬をし、合同埋葬する

本来なら個別火葬にして遺骨を手元に置いておきたいけど、生活状況を考えると難しいという人は合同火葬や合同埋葬という供養があります。
亡くなった他の動物たちと一緒に火葬され、供養塔に埋葬されます。

合同埋葬、モニュメントの写真

合同火葬や合同埋葬のメリット

  • 個別火葬よりリーズナブル
  • 慰霊祭があり、お坊さんに読経供養をしてもらえる。
  • 合同慰霊祭では同じようにペットを亡くした人と悲しみを分ちあえる。
  • 永代供養の手続きをすれば飼い主が亡くなったあとも永久に供養してもらえる。

合同火葬や合同埋葬のデメリット

  • 合同火葬のため返骨ができない。

合同火葬や合同埋葬はお墓参りに行く時間がなかなか取れない人、費用を抑えたい人、 悲しみを分ちあうことでペットロスを回避したいという人に向いています。

納骨堂に納める

納骨堂の写真

納骨堂とは火葬した遺骨をお墓には入れず、骨壺のまま寺院や霊園に預ける新しいタイプのお墓と言えます。
納骨堂は宗教の縛りがないので、ご自宅の近くで探すことができます。
骨壺を納めるスペースはロッカー式、仏壇式、墓石式、自動搬送式などがあります。
ほとんどがお寺での納骨なので数は少ないですが、飼い主とペットの遺骨を一緒に納められる納骨堂もあります。

納骨堂のメリット

  • 初期費用を抑えられる。
  • 屋内なので天候を気にせずお参りできる。
  • 宗教上の規制がない。
  • アクセスが良いところを選べる。
  • 安価な物から高額な物まで予算に合わせて選ぶことができる。
  • ロッカー式の納骨堂はリーズナブル。
  • 墓石式の納骨堂はお墓参りの雰囲気を味わえる。
  • 仏壇式の納骨堂は自宅に仏壇が置けない人向き。
  • 機械式の納骨堂はゆったりしたスペースで故人やペットのお参りができる。

納骨堂のデメリット

  • ロッカー式の納骨堂は食べ物の持ち込みに制限がある。
  • 墓石式の納骨堂は通常のお墓と同じなので比較的高価格。
  • 仏壇式の納骨堂は無宗教での弔いを望む人には向かない。
  • 機械式の納骨堂は個人スペースがないため、私物を置くことができない。

天候を気にせず頻繁にお参りをしたい人や、利便性を重視する人には、新しいタイプのお墓も良いですね。

手元供養をする

ペットの遺影の写真

手元供養をする場合、合同火葬では返骨ができないため個別火葬をします。
火葬を終え、戻ってきた骨壺を自宅に持ち帰り手元で供養する方法です。
手元供養には仏具などが必要です。 仏壇がなくても骨壺や写真、仏具などを置くスペースがあれば、身近で供養ができます。
毎日お線香やお供えをあげることで、心の整理ができるのも手元供養ならでは。 ペットロスも回避できそうですね。

仏具は専門店やホームセンターで購入できますが、最近はインターネットのショッピングサイトや100円ショップでも販売されています。
可愛い祭壇を作ってずっと身近で供養したり、気持ちが落ち着いたら埋葬するなど状況によって変えらるのが手元供養です。
他にも手元供養には遺骨をペンダントに入れる方法、動物型のモニュメントに遺骨を入れたり、プレートに加工してインテリア風に置いて供養する方法があります。
ペットが亡くなったあとの寂しさを紛らすのは手元供養かも知れませんね。

海へ散骨する

海の写真

ペットを火葬してから遺骨を海に散骨することを海洋散骨、自然葬、海洋葬と言います。
条例や法律もなく、費用や維持費がかからないことがメリットです。 自然に還したいという人に向いている供養です。

散骨する遺骨は火葬したままの状態だと、大きな骨があることも。 拾い上げられてしまったときに混乱のもととなってしまう可能性もあるので 火葬した遺骨を粉末かパウダー状にしてから散骨しましょう。

また、人の多いビーチや釣り場、漁港などは散骨に適していません。 海へ散骨することに抵抗を感じる人がいることもあります。
節度を守った方法で散骨することが飼い主としてのマナーです。


猫と犬の写真

これまでたくさんの笑顔や癒しを与えてくれた可愛いペット。
供養の方法がどれであっても、飼い主からの「ありがとう」は届いています。
感謝の気持ちを供養の形で伝えることでペットは喜んでくれるはずですから。

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