ペットのライフステージ別食事管理
ペットのライフステージ別食事管理
動物の赤ちゃんって本当に可愛いですよね。
儚げな瞳にヨチヨチ歩き。
生まれて間もなく家族として迎えたペットの世話をしていると
「ずっとこのままでいてくれたらいいのに…」と思うことがあったり。
かわいくてたまらず、ずっと抱っこしていたり。
見た目の可愛さに、つい飼い主の感情で扱ってしまいがちに。
気持ちはわかりますが、ペットは人形でもぬいぐるみでもありません。
命があるかぎり、日々成長しています。
「ペットが大切」「いつまでも元気で長生きしてほしい」と願うならば、
ライフステージに合わせた健康管理をしてあげましょう。
動物の成長は、人に比べると驚くほど早いです。
体格により多少のちがいはありますが、ライフステージの目安を表にしました。
愛するペットが現在、どのステージにいるかを把握しておきましょう。
ライフステージ別、栄養管理
哺乳期
生後30日くらいまでは哺乳期と言います。
このころは母親の母乳を飲み、母乳に含まれる免疫を譲り受けます。
この母乳が抗体として重要となり病原体と闘う元になります。
できるだけそっとしておき母猫にたくさんお乳をあげてもらいましょう。
母親の母乳を与えられない場合は犬猫用のミルクを与えます。
人間用の牛乳は必要な栄養素が入っていませんので、必ず「犬用」「猫用」のミルクを与えましょう。
※犬用、猫用のミルクはドラッグストアで購入できます。
離乳期
生後1か月を過ぎたころから離乳食を与えます。
高カロリー、高たんぱくを必要とする時期ですが、まだ消化する力が弱いので「離乳期用」のフードを与えます。
同時に母乳やミルクを卒業し、お皿で食べる練習をしましょう。
成長期
身体がグングンと成長する時期に入ります。
丈夫な体を作る大事な時期です。
骨格や内臓などの体の組織が急に発達しますので、タンパク質や脂肪、ミネラルが必要となるので「子犬用」「子猫用」「成長期用」と記載されたフードを選びましょう。
生後1年を過ぎたら「成猫用」「成犬用」のフードに切り替えます。
いつまでも「子犬用」「子猫用」「成長期用」のフードを与えていると肥満体型になってしまいますので注意してください。
維持期
大型犬は6歳くらいまで、猫や小・中型犬は7歳くらいまでが維持期です。
この時期の食生活は今後の健康に影響しますので
バランスのとれた良質な食事を与えましょう。
高齢期
高齢になると犬も猫も運動量が少なくなり、身体機能が衰えてきます。
肥満体型になってしまうと内臓や関節に負担がかかってしまうのでカロリーオーバーにならないよう気をつけてあげましょう。
栄養バランスを考え、胃腸に負担のかからない消化の良い「シニア用」のフードに替えていきましょう。
食に関する犬の習性
犬の習性として『犬は与えれば与えただけ食べる』という傾向があるようです。
おやつや食事をしているときに愛犬がジッと見つめていたら与えたくなってしまいます。
それがクセになり、いつでも欲しがるようになってしまいます。
のちのち病気や肥満で辛い思いをするのは愛犬です。
目の前で食べることは忍びない気持ちになりますが、分けてあげたい気持ちをグッと我慢するのも愛情のひとつです。
どうしてもおやつをあげたい場合は、人間用の食べ物は避けて健康状態に適した犬用のおやつを与えましょう。
食に関する猫の習性
猫は『猫は食べたいときに食べる』習性なのでドカ食いはしませんが、水もあまり飲みません。
放っておいても喉が渇いたら飲むだろうと思いますが、猫はのどの渇きに鈍感な生き物です。
それなのに嗜好にはこだわるようで、「お風呂のお湯が好きな猫」「水道から直接飲むのが好きな猫」「お湯が好きな猫」とさまざま。
愛猫の好みを把握して水分を摂らせましょう。
それでも水を飲まない猫にはウエットフードがお勧めです。
ウェットフードは内容量の60%が水分なので、水分補給ははウエットフードでも補えます。
脱水症状や尿路結石予防のためにも猫の水分補給は気にかけておきましょう。
食事管理のメリット
年齢や健康状態に合わせた良質なフードはわりと高額だったりしますよね。
「毎日のエサにお金をかけるのはもったいない」と小さな時からシニアまで、ずっと同じ種類のリーズナブルなフードで済ませていませんか?
では見方を変えてみてはどうでしょうか。
毎月×年間のフード代と病気になったときの治療費や手術費を比べたら?
それに出費だけの問題ではありません。
飼い主にとっても、ペットにとっても通院は苦痛です。
ライフステージに合わせたケアをするだけで元気で長生きしてくれる可能性が高まるのです。
辛い思いをさせず長生きしてくれたら、飼い主冥利につきますよね。