ペットとの最期の向き合いかた
ペットの最後と向き合う
ペットを飼うきっかけはそれぞれ理由があります。
きっかけはどうであれ、たくさんの時間をともにしているペットは家族の一員です。
そして、命あるものはいつかお別れの時がきます。
とても悲しくて辛く、受け入れがたい現実ですが、人間同様そのときは必ずやってきます。
大事なペットの最期のとき。
愛情をかけて見送ってあげましょう。
ペットの高齢化
昨今、日本におけるペット数は、15歳未満の子どもの数より上回っています。
それに伴い、人の高齢化だけではなくペットの高齢化も進んでいます。
年齢や健康状態に適した食事が豊富となり、動物医療の発展により、
ペットを取り巻く環境の変化が高齢化の要因となっています。
昔と今のペット事情
古くは犬は番犬、猫はネズミ退治という役割を担い、対価として食事や寝床を与えられていました。
次第に働き手としてではなく愛玩動物として飼われることが目的となりました。
近年では室内飼いのペットが大多数を占めており、家族として終生責任を持つ傾向となりつつあります。
ペットが老いてきたときの心構え
小さいころから理解する事が大事
あんなに小さくて可愛かったペット、やんちゃで動き回ってばかりだったペットも高齢になるとこれまで普通にできていたことができなくなるなど、行動に変化が表れます。
いつまでも元気なままのペットでいてほしい、永遠に可愛いペットでいてほしいと願う気持ちは誰にでもあることですが、今までできていたことができなくなったとしても、
長年ともに過ごしてきたペットに変わりありません。
年を重ねるごとに日常生活レベルが落ちていくことは自然の流れです。
ペットも老いていくということを念頭に入れておきましょう。
年齢にあわせたケアを取り入れましょう
ペットの外見は変わっていないように見えても、年齢に合わせたケアは必要です。
体の状態に合わせ、与えている餌の種類を変えたり、定期健診をして健康状態を
把握することは家族の義務です。
日頃から観察をし、高齢になったペットに適したケアをしましょう。
他にも、衰えた体力や機能に合わせて住環境を整えてあげることも
シニアペットにとっては負担が軽減されます。
年齢や体力、健康状態に合わせてシニアペットが安心して過ごせるような
配慮をしてあげるのも愛情のひとつです。
人間もそうですが、長年使った体の機能は衰えてきます。
病気を患い、通院や看病を強いられたり、病気はなくとも介護を要することに
なる場合もあります。
わが子同様のペットが老いていく現実から目を背けず、どう向き合っていくのか、
どこまでしてあげられるのかを考えておくことが必要です。
ペットとの別れの時
人間よりも時間の経過が早いペットが、いつの間にか自分の年齢を
超えていることは当然のこと。
受け入れたくはないけれど、ペットを見送る日がくることを
覚悟しておかなくてはなりません。
精一杯のことをしても後悔なしにはいられないのがお別れです。
病気で旅立つペット、寿命を迎え旅立つペット。
お別れは10匹いたら10のお別れがあります。
家族として迎えた日から、この日がくるまでたくさんの思い出がありました。
悔いのないよう旅立ちのお手伝いをしてあげましょう。
ペットが息を引き取ったあとにやるべきこと
①硬直するまでに姿勢を整える
- 死後硬直が始まる前に、手足を胸のほうに折り曲げてあげる。 ※手足が突っ張っていると棺に入らないことがあるため
- 目を閉じてあげる。
- 口が開かないように固定しておく(ゴムや布などで閉じた状態にしておく)
- お尻や口から体液が漏れてきたら濡れタオルやガーゼで拭いてあげる。※ペットシーツを敷いておくと吸水性があるので安心です。
②硬直が解け始めてきたら
- 手足が突っ張っているようならこのときに手足を胸のほうに折り曲げてあげる。
- お尻や口から体液が漏れてきたら濡れタオルやガーゼで拭いてあげる。
③安置する
安置に必要な物
- ダンボールや木箱(火葬までは生前使っていたベッドでも可)
- ペットシーツ
- バスタオルや新聞紙
- 保冷剤やドライアイス
- 生前すきだったおもちゃやエサと水
- お花(必須ではありません)
- お線香
安置の方法
- タオルで体を拭いて清める。 ※水分が残っていると腐敗の進行を早めてしまうため、タオルは固く絞ります。
- 用意したダンボールなどに新聞紙やビニールを敷く。
- ドライアイスを敷き詰める。
- ペットシーツを敷いて、バスタオルや生前使用していた布などを敷く。
- タオルでくるんだ遺体を寝かし、頭とお腹を冷やす。 ※急な場合は自宅にある保冷剤などで対応できますが安置する時間を要する場合はドライアイスの方が腐敗の進行を遅らせるのでお勧めです。
- 夏場はエアコンの効いた涼しい場所に、冬場は暖房器具から離れた場所に置く。
- 安置しているダンボールのそばに、お水と餌、生前遊んでいたおもちゃや好きだったものを供える。
- お花やお線香もあれば供える。
色々な最後の時間を
すべての準備が整ったら荼毘にふすまで最後の時間を過ごしましょう。
泣きたいだけ泣くお別れ。
思い出話で笑うお別れ。
撫で続けるお別れ。
いろいろな形のお別れがあっていいのです。
そこにあるのは家族の絆と愛情だけです。
最後の時間は、たくさんのありがとうを伝えてあげてください。